九条 歯医者、ボツリヌス治療

口を開けたときに
顎が重だるく
痛むことはありませんか?
また、朝起きたときに
顎の筋肉がこわばっているように
感じることはないでしょうか。
食事の際に顎が
すぐ疲れてしまったり、
カクカクといった音が出たり、
顎関節まわりの違和感が
繰り返し起こる場合、
それは単なる疲れではなく、
咀嚼筋(そしゃくきん)の
過緊張が原因となっている
可能性があります。
特に現代社会では、
ストレスや歯ぎしり、食いしばり、
長時間のスマートフォン使用などにより、
顎の筋肉に過度な力が
持続的にかかりやすい環境に
あります。
そのため近年では、
顎ボトックス治療
(ボツリヌス治療)を、
見た目の改善だけでなく、
機能改善を目的とした
歯科治療として行うケースが
増えています。

歯科における
ボツリヌス治療とは?
歯科におけるボツリヌス治療とは、
ボツリヌストキシン製剤を用いて、
過度に発達した咀嚼筋(主に咬筋)の
緊張をやわらげる
非外科的な歯科治療です。
歯科ではこの治療を、
機能回復を目的とした
診療として位置づけており、
見た目の改善だけでなく、
顎関節への負担軽減、
痛みの緩和、
歯ぎしり・食いしばりの改善を
目的に行われます。
ボツリヌストキシンは、
神経と筋肉の間の信号伝達を
一時的に抑えることで、
筋肉の過度な収縮を和らげる働きが
あります。
施術時間が短く、
日常生活への復帰が早い点も
特徴のひとつです。
治療にあたっては、
歯科医師が咀嚼筋の位置や
使われ方を正確に診断し、
お一人おひとりの筋肉の状態に合わせて、
適切な量を注入します。

どのような場合に
治療を検討するのでしょうか?
ボツリヌス治療は、
次のような症状がみられる場合に、
歯科において
治療の選択肢のひとつとして
検討されます。
– 無意識に歯を食いしばる癖がある場合
– 睡眠中の歯ぎしりが強い場合
– 朝起きたときに
顎の筋肉の痛みや疲れが
続いている場合
– 顎関節症による痛みや
違和感を繰り返している場合
– 咀嚼筋の肥大が確認されている場合
– マウスピース治療だけでは
十分な効果を感じられなかった場合
治療にあたっては、
口腔内検査や咀嚼筋の触診などを行い、
顎関節の問題なのか、
筋肉由来の症状なのかを
まず見極めます。
そのうえで、
ボツリヌス治療が適しているかどうかを
慎重に判断します。

どのような効果が
期待できるのでしょうか?
ボツリヌス治療後には、
次のような効果が期待されます。
– 咀嚼筋の緊張がやわらぐ
– 顎関節への負担が軽減される
– 噛むときの痛みが和らぐ
– 歯ぎしり・食いしばりの強さが軽減される
– 顎まわりの疲労感が改善される
効果には個人差がありますが、
一般的には施術後1〜2週間ほどで
徐々に実感されることが多く、
3〜6か月程度持続すると
されています。
必要に応じて
追加施術のタイミングをご案内し、
長期的な顎関節ケアの一環として
ボツリヌス治療を取り入れていきます。

施術時の注意点
ボツリヌス治療は
比較的安全性の高い治療ですが、
以下の点については
必ずご注意ください。
– 施術直後は、
強いマッサージなどは避けてください
– 当日は、激しい運動や飲酒を
控えてください
– 一時的に、
噛む力が弱く感じられる場合があります
– 正確な診断を行わずに、
繰り返し施術を行うことは推奨されません
特に、過度な量の使用は避け、
当院では機能回復に
必要な最小限の量を基準とした、
安全な治療を心がけています。
ボツリヌス治療は
単独で行うものではなく、
マウスピース治療や
生活習慣の見直し、
顎関節ケアと併用することで、
より安定した効果が期待できます。
顎の痛みや筋肉の疲れは、
「一時的なもの」として
見過ごしてしまいがちですが、
放置すると顎関節症へ
進行する可能性もあります。
顎が頻繁に痛む、
または噛む動作に違和感があると
感じた場合は、
無理に我慢せず、
歯科での相談を通して
現在の顎の状態を確認することを
おすすめします。
早めにケアを行うことで、
顎関節と歯の健康を
長く維持することにつながります。

